残業代請求できるか診断チェック!よくある残業代未払い12事例

この記事では、残業代請求ができるかどうかの診断チェックを行っていきます。

残業代請求のよくある“未払い”事例を見ていきましょう。
以下の事例を見て、「自分も同じような状況だ」という方は、残業代請求ができる可能性が、きわめて高いと言えるでしょう。

「私にも、受け取っていない残業代がある?」
「自分も残業代請求をすれば、正当な賃金を取り戻せる?」

と気になる方は、ぜひお役立て下さい。

1:採用時に“残業代は出ない”と説明された

給与明細を見て、残業代が一円もついていなかった…。
おかしいと思って、人事部や経営陣に問い合わせてみると、こんな回答が。

「採用時の説明で、残業代は出ないって言ったよね?君も説明に納得して、わが社に入ったんだろう。」

「労働契約、ちゃんと確認してください。残業代なしって書いてありますよね?あなたもサインしましたよね?契約に従ってください。」

こうした事例は、実は“労働基準法違反”です。
まず、いくつかの原則をご提示します。

法律に違反する契約内容は、無効化される

労働基準法は強硬法規であり、たとえ当事者間の合意があっても、違反するルールを定めることはできない

この2つの大原則により、「説明して納得したから」「労働契約に定めているから」という理由は、成立しなくなります。

そのため、たとえ労働契約書や就業規則に書いてあっても、入社時に説明があっても、“残業代を払わないことは、不法行為”となり、“残業代請求が可能”となります。

2:社内の規約や労働契約で、月の残業代の上限が決められている

残業代はついているものの、計算してみると明らかに足りない…。人事部に聞いてみると、

「うちは残業代、月20時間って決まってるから。」

…こうした企業も、残念ながらまだまだ多いのではないでしょうか。ですが、これも実はれっきとした労働基準法違反。

法律に違反しているので、たとえ雇用契約や従業員規則などで定められていても、その内容は無効となります。

そのため、こうしたケースでも残業代請求が可能となります。

3:タイムカードを切った後に、仕事を続けるのが暗黙の了解になっている

もくもくと仕事を続けて、気が付けば定時。
目の前にはまだまだ、山のように残っているタスクの山。

定時になると、みんな黙ってタイムカードを打刻しに行き、黙って持ち場に戻って仕事を続けている…。
「あれ?これ残業だよね?」なんて疑問は誰も持たない…。

こうした職場も、当然ですが労働基準法違反。残業代がきちんと支払わなければ不当です。

そもそもこれは、“労働者の労働時間を管理する(マネージメントする)”という、管理者・雇用者の責務が放棄されている状態。

この時点ですでに、不当労働になっている可能性が高くなります。

4:残業をする前に、定時でタイムカードを打刻させられる

こちらも“マネージメント放棄”の一例ですね。
定時になると、現場のリーダーや管理者が、

「じゃみんな、一旦タイムカード切っておこうか。」

一旦、も何もありません。
タイムカードは、勤退時間を正確に記録し、労働管理を適切に行うためのツール。
タイムカードを切った後に仕事を続けていたら、適切な労務マネージメントができません。そもそも、適切なマネージメントをするつもりがないから、残業代も払わないのでしょう。

こうした事例も“不当”となり、残業代請求の対象になるでしょう。

5:プレッシャーをかけられて、残業を申告できない

雇用契約にもしっかりと残業代が定められており、入社時の説明も「残業の申告があれば、しっかり残業代も出ます」と言われ、ホワイト企業だと思って入社した職場。
しかし実際に働いてみれば…

「それは指示された仕事じゃないよね?」
「定時までに終わらなかったのは、君の能力が足りないからじゃないの?」
「成果出してないのに、貰うものは貰おうっていうの?そういうの、給料泥棒って言うんだよ?」

などなど、パワハラまがいの言動で上司からプレッシャーをかけられ、“残業の申告ができない”状態…。
無申告で、黙って残業をするのが当たり前…。

こんな状況も、当然ですが不当です。
残業代請求をすれば、正当な労働の対価を取り戻せる可能性があります。

6:残業時間を“キリのいい時間”ごとに切り捨て計算している

「1時間刻みで計算してるから、59分にタイムカード切っても残業つかないからね」

これは正社員だけでなく、アルバイトや派遣社員の現場でも、比較的よくある事ではないでしょうか?

ですがこれは、労働基準法に抵触する恐れが高いシステムです。本来の法律では、残業代は“一分刻み”で計算し、支払われることになっているからです。

ただし特例として、残業時間計算の事務手続きを簡略化するために、「一か月単位で、30分ごとの切り上げ、または切り捨て」は認められています。

7:フレックスタイム制だから残業代は無いと言われる

「フレックスタイム制だから、残業代は出ないよ」

こんな風に説明されて、納得してしまっている方は要注意です。
フレックスタイム制とは、簡単に言えば“出社時間が柔軟(フレックス)”という事です。労働時間そのものに制限が無いわけではありません。

労働時間は、労働基準法により原則1日時間、一週間あたり40時間と定められています。これは、フレックスタイム制でも同様です。つまり、フレックスタイム制で何時に出社しても、原則8時間以上の労働は“残業”となるわけです。

8:「みなし労働時間」制度だから…と言われる

「“みなし労働時間制度”だから、何時間働いても、1日の労働時間は10時間とみなして、それで給与計算しています。」

こちらも、言われると“そうなのか”と思ってしまいそうな説明ですね。なんとなく聞いたことのある“みなし労働時間”という言葉の雰囲気に、納得させられてしまいそうです。

ですが、本当の“みなし労働時間”には、より厳密な定義があります。厳しい条件を満たした場合だけ、“みなし労働”制度が適用できるわけです。

「誰が何時間働いていも、労働時間を無条件に一定とみなす」という制度ではありません。

そのため、残業代未払いを“みなし労働時間”を理由に正当化されている場合、こちらも実態は違法の可能性が高くなります。

9:年棒制、成功報酬、成果報酬だから残業代は出ないと言われる

「年棒制だから残業代はありません。」
「給与は成果報酬です。成果に応じて決まるので、残業代という考え方はありません。」

“やりがい搾取”という言葉が近年、登場していますが、まさにその典型例でしょう。

「頑張れば頑張るほど稼げる」
「労働者でなくビジネスパーソンの意識を持って」

など、意識の高いスローガンでごまかされがちですが、“年棒制や成果報酬制では残業代を払わなくて良い”といった決まりはありません。

よって、これも残業代請求ができる状況だと考えられます。

10:“名ばかり管理職”にされて残業代が出ない

「君は課長でしょ?管理職だから、残業代はつかないよ」

こちらも言われてしまうと、“そうなのか”と引き下がってしまいますよね。ですがこれも、“不当な残業代未払いの言い訳”になっている可能性があります。

確かに労働基準法の第41条には、管理監督者は労働基準法の保護を受けないことが明示されています。そのため、残業や休日出勤といった考え方が適用されません。

ですが、ここには2つの誤解があります。

  • 管理監督者であっても、深夜労働の割増賃金や、年次有給休暇などの権利は保護されている
  • 部長、課長、係長など、会社としての“管理職”が、必ずしも法律上の管理監督者になるとは限らない

そのため、法律の条文を“会社に都合よく解釈”して、残業代を出さないための言い訳にされてしまう事もあります。

もちろん、“間違った法律解釈での運用”は認められませんから、不当な残業代未払いとして、請求できる可能性があります。

11:労働契約ではなく、業務請負契約だから労働基準法は関係ない、と言われる

こちらはアルバイトや派遣社員にありがちな雇用形態ですね。
“雇用契約”ではなく、“業務請負契約”とすることで、労働基準法から逃れよう…という手口です。

「皆さんは従業員ではなく、個人事業主という扱いで、当社から業務を請け負う形になります。業務請負ですから、労働基準法は適用されません。なので、残業代などもありません。」

「ですが、勤退時間などは当社で全て管理します。また、作業も当社指定の現場に来て行ってもらいます。必ず当社の指示に従ってください」

…つまり、契約だけ“業務請負”にしておき、実態は“労働者”として扱う手口です。

こうした場合も、“実態は労働者”という事で、残業代請求を含む“労働者の権利”を主張することができます。

12:仕事を自宅に持ち帰って続ける事が多い

定時間際に上司がやってきて、

「この資料、明日の朝までね。必ず仕上げておいてね。」

…指示されたのは、どう見ても定時までには終わらない仕事量。

「あ、でも残業は禁止だからね。定時になったら必ず帰るように。オフィスの電気も消すからね。それじゃ、よろしく」

明確な指示はされていませんが、暗黙のうちに、“持ち帰って仕事をするしかない”状況に。定時に退社しているので、実態としての残業も無い…と言えそうですよね。

こうした“巧妙な手口”でも、実は残業代請求できる可能性があります。

なぜなら、労働時間の法的定義とは、「労働者の行為が、何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」だからです。

よって、仮にそれが自宅に持ち帰った仕事でも、「使用者(会社)の指揮命令下に置かれていた」と評価されれば、残業として認められる場合があります。

ブラック企業の“ごまかし”に騙されない!社畜から脱出するための3つの視点

いかがでしょうか?
「自分の職場もそうだ」と思える事例が一つでもあったら、あなたも“正当な残業代を請求できる”可能性があります。

また、こうした事例を見ると、“ブラック企業の賃金ごまかしの手口”も見えてきますね。こうした手口の傾向を知っておくだけでも、“脱社畜”の役に立ちます。

<ブラック企業の手口>

「雇用契約書に書いてあるから」と言い張る
⇒“契約書で決められたことは絶対”というイメージがありますが、実際は、法律に違反する契約内容は無効となります。

「みなし残業」「ホワイトカラー」「フレックスタイム」など、制度や法律を“都合よく曲解”して言い張る
⇒法律や制度を本当に勘違いしている場合もあれば、「どうせ法律の素人にはわからないだろう」といった意図をもっているケースもあるでしょう。

「職場の空気」や「暗黙のプレッシャー」で、不当労働を強要する
⇒言葉や書類では明確な指示を出さないものの、暗黙の空気やプレッシャーで、不当労働を強要するパターンも多いですね。

ここでご紹介した事例のほかにも、未払い残業代を請求できるケースは、まだまだあります。

「自分の職場は、少しおかしいかもしれない」
「正当な賃金が払われていないのでは」

と、少しでも疑問に感じることがあったら、すぐに残業代請求に強い弁護士や司法書士に相談しましょう。

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